Living In Peaceの勉強会に行ってきた。

Living In Peaceの勉強会に行ってきた。

昨日新丸ビル10階、20世紀クラブにて開催された、貧困撲滅を掲げるNPO団体「Living In Peace」の勉強会に参加してきた。今回は講師に上智大学院教授の藤井良広先生http://fujii.genv.sophia.ac.jp/を迎えての講義。内容は、必要な人へお金が行き渡る為に、金融NPOが果たす役割とは?みたいな内容。今回の経済危機へのリバイバルプランとして、米国政府がこの金融NPOを上手く利用しようとしている点が興味深かった。初めて知ったし。

CDFI(Community Development Finance Institution)

コミュニティ開発金融機関(CDFI):貧困地域の活性化、社会的不利益層の経済的自立を図るため、少額の資金を融資する金融機関。アメリカ、イギリスをはじめ欧米諸国に普及している。 - http://ja.wikipedia.org/wiki/NPO%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF

非営利団体や低所得層への援助を行う期間として、米財務省の管轄にCDFI(≒金融NPO)というセクターがあります。地域開発や、マイクロファイナンスベンチャーキャピタルの働きをしたりと出資先は様々。以下が非常にわかりやすいので引用

オバマ大統領の「経済刺激策」の中に、CDFIに関連する多額の資金投入の計画があるとのこと。 2008-09年に、New Market Tax Creditに30億ドル(3,000億円)の追加投入、2009年にCDFIファンドに1億ドル(100億円)の追加投入(うち9000万ドルはCDFIプログラムに)を行う、と。 いやぁ。CDFIファンドの予算削減危機が毎年叫ばれてた頃とはまったくの様変わりですね。
Oppoturnity Finance NetworkのPinsky代表によれば、1億ドルの投入で、CDFIは5億ドルの投融資ができる、と。 なるほど。レバレッジとしてはそんな感じなんですね。
これがCommunity Developmentにどういう効果があるかというと、現状の金融危機下、中堅事業者が中堅金融機関からはじかれて中下位金融機関に流れ、結果、中下位事業者が中下位金融機関から借りられなくなっているので、 今回の件で資金が流れると、あらためて地域の小規模事業者への金融供給が円滑になることが期待される <オバマ政権とCDFI /KALUCKY'S Social Finance http://kalucky.at.webry.info/200903/article_2.html>

日本に寄付の文化は成り立つのか?

こういったジャンルを勉強していて、どうしても拭えない感覚があります。日本にチャリティーは根付くのか?ということ。何も根拠があるわけではないのだけど、寄付行為って根本的にはキリスト教的な価値観(というか宗教的な価値観)に基づくものなのではないか、という不安。

確かに日本にも莫大な寄付行為が行われたことは多々あって、講義では数年前に行われた、ゆうちょボランティア貯金−ゆうちょ銀行 http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/fukusi/kj_tk_fk_volunteer.htmlというのを紹介された。郵貯に預けてある利子分を、希望者がそっくりそのまま途上国に寄付するというもの。総額200億円にも上ったらしい。

しかし日米の個人寄付金総額を比較すると、ざっと500倍。これだけの大きな理由には、寄付金に対する税額控除とか制度面の違い、それから「大金持ちになって高額な寄付」というそれ自体が大きなreputationになってる基盤が大きいと思うけど、国内で同じ条件が達成されたとき、果たして経済大国2位の日本は寄付大国になりうるか?

上述のゆうちょボランティアに関しても、日本の寄付に対する感覚ってどことなくパッシブだと思うのです。いつも預けているお金で、別に大した利子も付かないし、みんなやってるし、なんかいいことしてるっぽいし、そんくらいだったらいいかな、程度だったんじゃないかと思うのです。

そんな疑問を教授にぶつけてきましたが、回答は「制度面の改革が少しづつ人々の意識を変えるだろう」とのこと。なんとなく煮え切らない思いですが、そんな気の遠くなるようおな話じゃなくて、個人がなんとかできそうな例を紹介。

2004年にスタートしたkiva.orghttp://www.kiva.org/から始まり、今や寄付型ソーシャルレンディングは世界中に広がっています。欧米はもちろんのこと、中国やアフリカ発のものすらある。今回の勉強会のホストであるLiving In Peaceは、そんな中で、P2Pに近い個人投資を実現させるプラットフォーム、セキュリテhttp://www.securite.jp/と共に、日本初めての寄付型ソーシャルレンディングを始めようとしています。http://www.living-in-peace.org/

「大切なものを守る投資」を実現させるセキュリテ、「全ての人々にチャンスを」を標榜するLiving In Peace。心から応援したいと思います。*1


Peace.

*1:こんなことを書いておきながら、何もアクションを起こしていないなんて、死んでも言えない。。