香港大学で履修している授業

留学先を決めるときに、自分の経験をウェブ上に書いてくれている先輩たちの情報にすごく助けられたのを思い出したので、前のセメスターと、今取ってるものを簡単に紹介します。今後更に大きく注目されていく大学だと思うので、誰かの参考になれば。

単位トランスファーを気にしつつ、基本的にアジア金融/経済など興味あるものをそのまま受講してます。

ECON 302 - International Finance

経済学部で大学に入って最初に学ぶマクロ経済学は、閉鎖経済モデルという現実に即していない特殊な条件の理論を中心に学びます。それは現実に近い理論は基礎モデルの先にあり、初学者がいきなり入るには敷居が高いからだけど、このクラスはその拡張モデルの開放マクロを中心に扱います。1国が金融政策で金利を上げると、マネーサプライがこうなり貿易がこうなり、相手国にどうこう影響を与えるといった新聞のニュースが整理して考えられるようになりますが、既に忘れ気味なので復習しなきゃ。これすごく使える。単位トランスファーを狙って取りました。(国際経済学/国際金融論)

ECON 602 - Foreign Trade and Investment in China

往年の中国の経済発展はいかにして達成されたかをわかりやすく解剖するクラス。非常に為になりました。僕の中国経済の理解はこの授業と、大前研一氏のチャイナインパクトがベースです。先輩からトランスファー可能との情報。(東アジア地域文化論)

ECON 701 - Introductory Econometrics

計量経済学慶應で2つのゼミに入っている僕は、帰ってから実証分析をする卒論を2つ書きます。おまけに留学前にゼミでチーム論文を書いた時に、実証分析のパートを計量分析が出来る友達に丸投げしてしまってすごく恥ずかしかったので、今のうちにしっかり理解しておこうと思って取りました。高校時代一寸も勉強していない僕は重度数学アレルギーで国立受験を断念したくらいなんだけど、これとインベストメント(ファイナンス)の授業のお陰ですっかり完治。蓋を開けたら数学ってすごく論理的で清々しい。トランスファーは可能のはず。(計量経済学基礎)

FINA 2802 - Investments and portfolio analysis

Econ&Finance学部の有名な授業の1つらしい。基本的なファイナンス理論を勉強します。分散て何、という話から、CAMP, APTくらいまで。サブクラスが幾つかあり、一番エグいと評判のDr.Alex Chanの授業を受講していますが、それだけ教え方がとても上手くて爽快。この前Assignment 1が終わった所ですが、20時間くらい使いました。。「あなたは資産運用会社のアドバイザー、100万ドル持ったクライアントが月1%のリターンを求めてるという設定で、指定された香港企業10社の株とリスクフリー資産(預金)への投資割合を、最適なポートフォリオになるよう計算しなさい」という課題。Excelでブワーッと計算して、以下のようなグラフを作ります。トランスファーできるか不明。商学部ファイナンス系の授業とかと出来ると考えてますが。

FINA 501 - Asian financial institutions

香港を中心に、シンガポール、東京の金融マーケットの成り立ち、ルール、仕組みなどを学びます。本読めばわかりそうで、今のところあまり楽しんでない。。

CHIN 3501/3502 - Chinese as a foreign language III (Part I & II)

外国人向けの中国語普通語のクラス。IIIは一番上のクラスなので、クラスメートはかなり喋れます。広東語スピーカーのABC(American born Chinese)とかがペラペラなのはいいんだけど、ドイツ人とかがものすごい勢いで喋ってるとビビる。前期は最初マジで3割くらいしか聞き取れず落ち込むものの、お陰様で耳が慣れ、今は大丈夫。語学はトランスファー不可。

GEOG 2065 - Urban planning: principles and practices

香港の都市開発の歴史を、他国と比較しながら学ぶ。都市開発に興味があったので取りました。急激に発展し続ける元気な香港にはモダンなビルがニョキニョキ生えていますが、その裏には立退きさせられた人々や、未だ共存する露天の意味など、都市開発政策のリアルを学びました。最終プレゼンでは、深センと香港が統合して世界3位のメトロポリスになる(実際にこういう計画がある)時に、中国香港の間で国境問題になる落馬洲という村のケースを扱いました。Econ&Finance学部の授業と違って、かなりリラックスできた。学部によって大変さが全然違う。。トランスファーはおそらく出来ない。

POLI 80 - Global political economy

国際政治経済。内容は、グローバル化が与えた影響は?から始まり、ワシントンコンセンサス、TWO、政府系ファンド、国際金融、多国籍企業の役割、地域覇権についてなどなどを浅く広く。浅く広いけど、テーマ毎のオープンディスカッションが交代で毎回授業中にあり、またチュートリアルは人数が狭いので参加しやすいというか出来ないとへこむ。しかも読む量が圧倒的に多く、真面目に全部読もうとして時間間に合わず論点も抑えられず大した発言が毎回できず復習も追いつかずという、とてもわかりやすい駄目ループに入ってしまった(留学の洗礼)。ホントに惨めな思いをしてイライラしたので、二学期目でのリベンジを決意。それが次のThe Rise of China and World Orderという授業にあたります。トランスファーは出来るかわからない。

CCCH 9012 - The Rise of China and World Order

中国と世界の歴史を見ながら、彼らのプレゼンス拡大にどういう意義があるのかを考える。とても面白い。教授は中国人。いつも一番前の席に陣取って割とよく喋ってる。中国人、香港人、日本人の3人で、「日本と中国の関係は、アジア地域の秩序(regional order)にどう影響を与えるか?」というお題でプレゼンを月末にするので準備中。中国人とピリピリしたバトルになるかと思ったら意外とそうでもない(ちょっと楽しみにしてた)。お互いがお互いをどう解釈しているのかとても気になってよく話題が飛ぶ。授業のウェブサイト:http://commoncore.hku.hk/ccch9012.php トランスファーは不明。

という感じです。あとは授業の他にも、友達と勉強会したりして自分で自分の首絞めて喜んでます。