デンマークのデジタル診療

基本的に、町医者が嫌いである。
何かにつけて偉そうだし、彼らの仕事と言えば、数分診療して、薬を出して、終りだ。回転を早めるためにあまり立ち行った話はしたがらない。薬局は処方箋が無いと指定された薬を出すことができないが、果たして抗生剤を出す判断は難しいことか?同じような
風邪を引いたら大抵同じような薬が出てくるのだから、いちいち医者にかかる必要性を感じない。おまけに町医者で手に負えない病気だったら、専門病院や大学病院に患者を横流しするだけだ。手間が掛かりすぎる。しんどいから病院来るのに、なぜたらい回しされるのか、、お年寄りや足の不自由な方にとってには、耐え難い激務。まるで時代錯誤的である。術後の経過など、継続的に医者に掛かる必要がある場合も然り。わざわざ足を運ぶプロセスを不要に感じる。中途半端な知識集積に価値はない。町医者システムは、過去の権益を守りたいが為に維持されている。

デンマークでは、10年前からオンライン診療を実現する、デジタル医療が開始されている。心拍計測器を指にはめて、オンラインでログを取る。処方箋はペーパーレスなので、自宅から一番近い所に足を運べばオーケー。
Denmark Leads the Way in Digital Care - NYTimes.com

he can go to the doctor without leaving home, using some simple medical devices and a notebook computer with a Web camera. He takes his own weekly medical readings, which are sent to his doctor via a Bluetooth connection and automatically logged into an electronic record.“You see how easy it is for me?” Mr. Danstrup said, sitting at his desk while video chatting with his nurse at Frederiksberg University Hospital, a mile away. “Instead of wasting the day at the hospital?”
簡単な医療器具と、ウェブカメラのついたノートPCを使って、家を出ずに医者にかかることができる。計測器から自動で取ったログを見た医師が、それに合わせて医師としてのコメントを週1で届ける。「病院で一日を無駄にするより、超簡単でしょ?」オンラインで看護士と話しながら、Mr. Danstrupは言う。

既存の技術で、遠隔操作で心臓手術をするのはちょっと怖いが、風邪引いたとか、胃もたれがするとか程度であれば、これで十分。病院側も、症状の軽い患者はオンラインで大量に捌き、重い患者は来院と分けて効率良く診療することで、収益増が見込める。更にオンライン化することで各医院で競争原理が働き、利便性や質は格段に向上する。

時代の変化に合わせず権益を守る立場をキープすると、必ず将来的に負ける。このデンマークの医者が日本語サービスを開始したら、多数がそちらに流れるでしょう。法制度の面で実際は出来ないかもしれないけど、その発想が前時代的。先人を斬って新しいことにトライしていく発想が無ければ、日本医療業界自体が世界で負ける、ただそれだけのこと。