10,000円で海外旅行の時代が来る!AirAsia日本乗り入れ

書こうと思っていながら時間が開いてしまった、アジアの格安航空会社の日本乗入ニュースを紹介したいいと思います。

激安航空、エア・アジア日本へ マレーシア便1万円も - 47NEWS(よんななニュース)

僕は貧乏学生の割にちょいちょい海外に遊びに行っています。それが出来るのは、一生懸命バイトして大金を貯めてるからでは無く、無駄なコストを限界まで下げてるから。ユースホステルや国際学生証を使ったり、一番かかる旅行券を旅行会社等で普通に買わないからです。大体1回の旅行で1週間弱行きますが、全部込みでいつも5,6万程度しか使ってません。
そんなこんなで、今年度末から、格安航空会社AirAsiaが日本へ乗り入れ開始します。JALの崩壊が騒がれてた頃のタイムリーなトピック。僕は将来性の乏しい巨大企業に税金を注ぎこむよりも、AirAsiaのような会社に頑張って欲しいので、その応援です。

AirAsiaとは何か

AirAsiaは、マレーシア発の、ASEAN圏内を中心としたアジア圏で急成長を遂げている航空会社です。域内数千円レベルの格安航空は、EUのRyan AirやEasy Jetなどが有名ですが、アジアで力をつけているのがエアアジアです。通常は、近距離の渡航を強みにしています。Easy Jetは去年欧州に行った時乗って、大変満足。ブログにも書きました。パリからミラノへ 普通に旅券を購入している人にとっては、眼が飛び出るような値段で外国にいけます。早期予約やキャンペーンをうまく使えば、数百円、あるいは無料で乗れたりもします(!)

利用感

去年の秋くらいに南の方に行ったのですが、マレーシア〜インド便でAirAsiaを使いました。格安だからといって安全性に不安はありません。もちろん無鉄砲経営をしている訳ではなく、機内食や無駄なTVなどの設備を省く事で実現。飛行距離が短いのでそもそも不要。ライフジャケットの説明等も普通にするし、機内はとても綺麗です。代わりに2つ目以上の手荷物分や、座席の予約、保険、機内販売で穴埋めをしているようです。(これだけで十分利益が出るということは、普通の飛行機はかなり大きな体質をしてるということでしょうか。)

格安航空会社が拡大すると

飛行機は、現状で最も早い人間の国家間移動手段です。こういった格安航空が広まることで、良いことがたくさんあります。
まず、航空業界全体の航空券価格破壊が起こります。低コスト体質で十分な安全性を確保出来ることは既に存在する企業が証明しているので、市場は低価格線とゴージャス線に2分されていきます。ファーストクラスを使うようなリッチな人はひたすらゴージャスな飛行機を使ってもらって、普通の人は数万円レベルの低価格化の恩恵を受けることができます。
試しに今HISで東京からクアラルンプール(マレーシア)の往復便を調べてみると、最安値はベトナム空港の32,000円です。(ちなみに、日本の会社で一番安いのは日本航空で54,000円でした。)H.I.S. クアラルンプール 格安航空券 マレーシア 海外旅行 AirAsiaの1万円というのは片道なので、往復2万としても現時点で12,000円確実に安くなります。長距離はもっと差が出るかもしれません。同じような事を他の会社もやりだすと、価格競争が起きて更に安くなっていくわけです(限度はあるでしょうが)。
それから、こういうタイプの航空会社は機体の小さなミニジェットを使うので、受注が増えると機体の価格も下がります。何に良いかと言うと、国内便も安くできると思うのです。これまで日本は規制が厳しかった為に、国内旅行が他の国に行くより高い、というおかしな事態になっていますが、価格の安いミニジェットをバンバン飛ばしてもらえば、新幹線より早く目的地に行けるからラクちんです。大阪まで夜行バスで4,000円で行けますが、本当は同じ値段で2時間くらいで行けるはず。。

もっと大きな視点で考えると、世界での人材移動がぐっと容易になるわけです。
‘’Now Everyone Can Fly’’とはAirAsiaのキャッチコピーですが、その名の通り、途上国の中でも、裕福層以外が海外に行ける時代を作り出したのです。これは画期的。時期を選ばなければホントに数百円で行ける便があるわけだから、人々に夢を与えます。例えば、田舎のインド人が先進国の暮らしを知ってしまう。これまで農村で畑耕していた人がシンガポールの大都会を見てしまったら、否が応でも「自分たちもああいう暮らしがしたい...!」と欲が出ると思いませんか?経済発展て、そういうモチベーションから来ると思うんです。本で読むのと、実際にライトアップされる100万ドルの夜景を目で見てしまうことのショックの差は歴然です。人材、物流の国境移動は簡素になって、グローバル化は物理的に加速されます。

日本乗り入れの意味とは

友達から沖縄まで航空券が10万だったとか、ヨーロッパ20万とか聞いて、ありえないなーと思いながら、情報を知らない事がいかに不平等になってしまうかを感じます。
フランクフルトから乗り継ぎでコペンハーゲンとか行ったりするとかなり掛かると思いますが、EasyJetを知っていれば、1)日本〜フランクフルトだけ日本で取って、2)フランクフルト〜コペンハーゲンEasyJetにして数万円浮かせる、というテクが使えるワケです。日本の代理店は一切こういうことを言わないので、大部分の人は損してます。
そういった意味で、今回のAirAsiaの参入は、旅行者に選択肢が堂々と与えられる事が一番のメリットかなと思います。そもそもあんな旧式のTVとか、誰もやらなそうなゲームとか、必要なの?(ANAエコノミーで食後にハーゲンダッツが出てきた時は吃驚仰天だった)と考えると、こうなってくるわけです。
政府もお堅い体質をこれを気にすっぱり辞めて、観光立国とか目指すなら、堂々と受け入れないと。

ということで、格安券大ファンの立場として、つらつらと書いてみました。